貝柱ボール

2017年
9月

Vol.142 油断大敵

今回は揚げた肉団子です。
油といえば、「油断大敵」という四字熟語があります。「大したことはないだろうと油断すると思わぬ失敗を招く」という意味です。
語源は諸説あるのですが、その中に仏教の経典「涅槃経」に根拠を求める説があります。その昔ある王様が、一人の家臣に油の入った鉢を持たせ「一滴でもこぼしたらお前の命を絶つぞ」と申しつけて、後ろに刀を抜いた監視人を置いた。そこでその家臣は、細心の注意をして鉢をささげていたそうです。この話から、一瞬の気の緩みから「油」で命を「断つ」場合もあるとの教えとなったとか。
栄養士になりたての頃の若い私は、油断大敵とは「食べ物から油をなくしてしまうと、栄養的に良くない」という意味だと勝手に信じ込んでいました。
油物はカロリーが高いから、と敬遠する方も多いですが、やはり油が不足すると脂溶性のビタミンの吸収が悪くなり、肌が荒れたり踏ん張りが効かなくなったりしますね。それに満腹感を感じにくいので、かえって食べ過ぎたりします。油料理も程々には必要なのです。